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辻 宏和; 田辺 龍彦*; 中曽根 祐司*; 中島 甫
Journal of Nuclear Science and Technology, 31(4), p.274 - 278, 1994/04
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)高温工学試験研究炉の高温構造用部材として開発したハステロイXRを供試材料として、一連の荷重一定クリープ試験、短期過大荷重を伴うクリープ試験を900~1000C域の高温ガス炉1次冷却材模擬ヘリウムガス中で行った。短期過大荷重の水準は、高温工学試験研究炉高温構造設計方針に定められたハステロイXRの設計応力強さSmとした。10回程度の過大負荷は、最小クリープ速度、3次クリープ開始点、クリープ破断時間及びクリープ破断伸びのいずれにも本質的な変化を与えなかった。これは、設計応力強さSmの設定が妥当であったことを示唆している。
栗原 良一; 橘 幸男; 西原 哲夫; 丸山 創; 塩沢 周策; 大下 真一*
圧力技術, 32(3), p.154 - 165, 1994/00
熱出力30MW、原子炉出口冷却材温度950Cを目指した高温工学試験研究炉の建設が日本原子力研究所大洗研究所で進められている。使用圧力3.9MPa、温度約400Cのヘリウムガスを内蔵するHTTRの耐圧バウンダリは、原子炉圧力容器、中間熱交換器、1次加圧水冷却器等から構成される。このうち、原子炉圧力容器は内部にHTTRの安全上極めて重要である燃料体、黒鉛反射体、反応度制御設備、炉心支持構造物等を収納するため、耐圧バウンダリの中でも最重要機器の一つである。高さ13.2m及び直径5.5mの原子炉圧力容器は、円筒胴と上下の半球鏡から成る。原子炉圧力容器の主要材料として、21/4Cr-1Mo鋼を使用するが、この材料は、軽水炉で圧力容器鋼材として広く使用されているMn-Mo鋼よりも高温において優れたクリープ強度特性を有する。本報告は、主としてHTTRの原子炉圧力容器の構造設計について概説する。
辻 宏和; 田辺 龍彦*; 仲西 恒雄*; 中曽根 祐司*; 中島 甫
JAERI-M 93-209, 64 Pages, 1993/10
高温工学試験研究炉の高温機器の製作に用いられた30ヒートのハステロイXRのうちの代表的な1ヒートを対象として、引張特性、シャルピー衡撃特性及びクリープ特性(試験温度:850,900,950及び1000C、最長試験時間:3371.4時間)を調べ、以下の結果を得た。(1)引張強度特性及び引張破断延性の面で、高温工学試験研究炉の高温機器の製作用素材として不都合な点は無い。(2)厚さ15mmの板材は十分な靱性を有した材料であるといえるが、厚さ60mmの板材の靱性は、厚さ15mmの板材のそれよりも劣る。(3)設計クリープ破断応力強さSを上回っているばかりでなく、平均クリープ破断応力強さの強度水準をも上回っている。また、十分なクリープ破断延性を有している。
辻 宏和; 田辺 龍彦*; 中曽根 祐司*; 中島 甫
JAERI-M 93-144, 69 Pages, 1993/07
高温工学試験研究炉の高温構造用部材として開発したハステロイXRを供試材料として、一連の荷重一定クリープ試験、短期過大負荷を伴うクリープ試験を900~1000C域の高温ガス炉1次冷却材模擬ヘリウムガス中で行った。短期過大荷重の水準は、高温工学試験研究炉高温構造設計方針に定められたハステロイXRの設計応力強さSmとし、その負荷時間は、1回当たり30秒とした。5~6回程度の過大負荷は、最小クリープ速度及び3次クリープ開始時間のいずれにも本質的な変化を与えなかった。また、10回程度の過大負荷は、クリープ破断時間及びクリープ破断伸びのいずれにも本質的な変化を与えなかった。これは、設計応力強さSmの設定が妥当であったことを示唆している。
辻 宏和
Journal of Nuclear Materials, 203, p.187 - 188, 1993/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.68(Materials Science, Multidisciplinary)Journal of Nuclear Materials 199(1992)P.43-P.49に掲載された著者らの論文に対して、当該誌の編集者宛にコメントが寄せられた。本報はそのコメントに対する返答を記したものである。一般論として、温度/応力変動を伴う条件下のクリープ破断寿命を正確に予測するには、化学組成や金属組織の変化を考慮した手法が望ましいが、高温工学試験研究炉の高温構造用部材として開発したハステロイXRの高温ガス炉1次冷却材模擬ヘリウムガス中における温度/応力変動を伴う条件下のクリープ破断寿命の予測に対しては、クリープ破断データのばらつきも考慮すると、簡便な高温構造設計手法として累積損傷和則が適用可能であることを示すとともに、実プラントの寿命予測では長時間を要して生じる化学組成や金属組織の変化に注意する必要があることを述べた。
武藤 康; 中島 甫; 衛藤 基邦
Nucl. Eng. Des., 144, p.305 - 315, 1993/00
被引用回数:7 パーセンタイル:60.37(Nuclear Science & Technology)高温工学試験研究炉の原子炉圧力容器及び熱交換器用に開発した21/4Cr1Mo鋼及びハステロイXRの材料試験及び構造試験結果についてまとめると共にNiCrW合金などの最近の研究成果について紹介する。21/4Cr1Mo鋼については主として照射の強度への影響について、ハステロイXRについては、開発の経緯、溶接材料の開発、クリープ構成式及びクリープ疲労評価方法等について述べる。将来の高温ガス炉用超耐熱合金であるNiCrW合金については、開発の経過及び最適合金組成等について述べる。
武藤 康; 羽田 一彦; 小池上 一*; 大野 信忠*
日本原子力学会誌, 33(5), p.475 - 481, 1991/05
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)ニッケル基の固溶強化型耐熱合金ハステロイXRの薄肉円筒試験片を用い、950C大気中で、軸力+捩り荷重によるクリープ及びクリープ疲労試験を行なった。クリープ試験の結果として、Misesの流れ則が良く当てはまること、捩り荷重下では引張り荷重下に比べボイドが十分大きく成長するまで破壊が発生せず、破断時間が長くなること、圧縮荷重下ではボイドの数、面積ともに小さく、破壊時間が著しく長いことなどが分かった。クリープ疲労試験の結果として、軸方向引張圧縮負荷に一定の捩り荷重を加えると破損繰返し数は著しく減少し、この減少量は線形損傷則による推定値と良く一致することが分かった。
羽田 一彦; 元木 保男; 馬場 治
JAERI-M 90-148, 231 Pages, 1990/09
本報告書は、「高温工学試験研究炉第1種機器の高温構造設計方針」で用いている設計応力強さ等の材料強度基準等の作成方法を定め、この方法に基づいて、「高温工学試験研究炉高温構造設計方針材料強度基準等」を作成したものである。材料強度基準等を定めている材料は、21/4Cr-1Mo鋼NT材-HTTR仕様材、ハステロイXR並びにオーステナイト系ステンレス鋼のSUS321TB及びSUS316である。21/4Cr-1Mo鋼NT材-HTTR仕様材及びオーステナイト系ステンレス鋼については、高速原型炉「もんじゅ」用に定めた「高速原型炉高温構造設計方針材料強度基準等」を準用した。ハステロイXRについては、材料特性を十分に検討して新たに作成方法を定めた。特に検討した項目は、引張特性に関しては、高温で生ずる動的再結晶に対する基本的な対策、クリープ特性はクリープ式の作成方法等である。
羽田 一彦
Nucl.Eng.Des., 97, p.279 - 296, 1986/00
被引用回数:2 パーセンタイル:32.46(Nuclear Science & Technology)クリープ曲線のばらつきが高温構造物のクリープ挙動に及ぼす影響を解析的に検討した。ヘリウム/ヘリウム中間熱交換器の平管板式高温管板を解析対象構造物として通常運転第6サイクルまでの解析を行なった。これは以前の検討では第1サイクルのみを解析しており、その後のクリープ挙動への影響を明らかにするためである。その結果、次サイクルに有効な応力緩和を生ずるような単純な応力変化パターンの場合にはそのクリープ挙動のばらつきは基本クリープ特性のばらつきと類似していることが明らかになった。また、クリープ特性の平均値を用いて予測される応力履歴にASMEB.IP.V.Code Case N-47のクリープ損傷評価則を適用して求められるクリープ損傷値は、クリープ損傷のばらつきを考慮しても安全側な値であることが推測された。
藤村 理人; 宇賀 丈雄
日本原子力学会誌, 14(11), p.632 - 639, 1972/11
47年原子力シンポジウムで行なった講演内容を特集したものである。現用構造設計手法を高温-拡大するための問題点を明らかにし、高温化にともなう材料強度の性質のとり扱いを解説している。さらに、高温構造設計のクリープ強さの設計への通用の問題点を記述している。また、高温疲れ損傷とクリープ損傷の相互関係を具体的な事例として指摘している。とくに、高温においては、熱ラチェットによる変形促進と熱荷重問題が特有の現象として、構造設計に問題になる点を明らかにしている。最後に、研究開発項目にふれて、研究開発の必要性を強調している。